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皮膚科BLOG

皮膚糸状菌症の診断と治療編(後半)

こんにちは

看護師の丸井戸です。

今日は、皮膚糸状菌症のご紹介「後編」です!

皮膚糸状菌症は脱毛、赤み、痒み、フケ、痂疲など様々な症状が認められます。

しかし、感染している糸状菌自体は肉眼で確認が出来ません。

そのため病変部の毛を採取して顕微鏡で確認する検査や

真菌培養検査などを行います!

 

皮膚糸状菌症と診断された場合

一般的に抗真菌薬の内服薬を使って治療を行います。

クリームやローションなどの抗真菌薬の外用薬(塗り薬)を併用すると

治るまでの期間が短くなる場合があります。

皮膚糸状菌の感染力はとても強いものです!

そのため同居動物がいる場合には感染防止を考え同時に治療したり

感染した動物を隔離したりすることがあります。

また治療には2~3カ月といった比較的長い時間が必要です。

皮膚糸状菌の原因となるカビは環境中でも1年近く生き残ります。

カビが感染した毛が部屋の中に落ちていると再び感染してしまう可能性があるので

徹底した清掃が必要となります。

清掃の基本は、部屋に落ちているわんちゃんやねこちゃんの毛を取り除くことです。

毛に皮膚糸状菌が付着している可能性があるので

お掃除用粘着テープ(いわゆるカーペットのコロコロですね)などで

しっかりと毛を除去してください。

清掃は毎日行うことが勧められています。

とは言え家中のお掃除は大変ですので

治療期間中は掃除が行いやすい部屋に

わんちゃんやねこちゃんの生活エリアを限定し

場合によってはケージにいれることも検討してください。

毛布などの布類は洗濯機で2度洗いすると

感染した毛が除去できるといわれています。

食器やおもちゃなどは清潔に出来るものを使用するのが良いでしょう。

可能なものは消毒を行なってください。

家庭では、塩素系漂白剤が用意しやすいでしょう。

市販の塩素系漂白剤は

消毒成分の次亜塩素酸ナトリウムが5%前後含まれているものが多いので

これを10~20倍に薄めて(0.2%の次亜塩素酸ナトリウムで10分つけおき)

週2回使用します。

使用の際には換気を十分にしてください。

または金属は塩素で腐食することがありますので注意してください。

詳しい消毒方法などは病院で相談に乗りますので

困った場合には当院にご相談ください!

わんちゃん、ねこちゃんが皮膚糸状菌症と診断され

お世話をしている時に家族で皮膚が痒くなったり

皮膚炎が起きたりした場合は必ず人間の皮膚科を受診してください。

なかなか治らない皮膚病にお悩みの方は

是非一度アイ・ペットクリニックまでご相談下さい!